【夫との死別から10日目】町には涙が噴き出るトリガーが潜んでいる
夫が死んで、36歳にして喪主を務める前夜
日を追うごとに、心は落ち着いて来ている。
それでもやっぱり、ふとした時に込み上げて来る事がある。
例えば街へ出れば、
もうスーパーに2人で買い物に来ることもないんだな
ヨガの帰りにパン屋がある。パンが好きだった夫にたまに買って帰ってあげたな
なんて事を思い、それがトリガーとなる。
家にいれば、
夫が帰ってきたことを告げるバイクの音が、もうそういう意味を持たなくなってしまった
大好きだったお笑い番組が流れれば、コレを見て一緒に笑うことはもうできないな
料理は夫しかやらなかった。ダシとか、みりんとか、包丁研ぎ、すべてが「遺品」となり灰色に見える。
なんてことも突如現れるトリガーだ。
そして当然ながら、写真や思い入れの強い品がもつ涙誘発力はすごい。
コロナが明けたらもう一度行こうと言っていたハワイのお土産
子供や動物が好きだった夫が、目にシワをよせて甥っ子を抱っこしてる写真
携帯を変えても付け続けた亀のストラップ。
甲羅の溝に手垢かなんかの汚れが入り込んで、黒く描かれたように見える。汚れてる方が逆にわかりやすいね」なんて言って笑ってた。
このように、涙が吹きこぼれるトリガーは日常に散りばめられている。
気づいたときに書き残して行こうと思う。
ひとつづつ攻略していく。
向き合い、乗り越えていく。
そんな力を身につける。私ならできる。