【夫との死別から10日目】私のことが好きでしょうがなかった夫の日常は
夫は嫌いな食べ物が多い。
そのうちの多くが私の好物である。
例えば、
納豆、オクラ、梅干し
ナス、蓮根。
けど、
家事の8割くらいを率先してこなしている夫は、私の好物を切らすことなく補充し続けてくれる。
ある晩の話。いつもはビールを飲んでいるが、たまに来る梅干しサワー欲に見舞われたときがあった。焼酎は常備しているモノがあるので、心配なのは炭酸水。
「あるわけないよなぁ」とダメ元で冷蔵庫を開けると、ドアポケットに残りわずかな炭酸水と、未開封の炭酸水が待機している。
飲みたいときに飲みたいものが冷蔵庫に冷えている。なんともありがたいことだろう。
夫の仕事は不定期なので、休みが続く月もあれば、まったく休みが無い月もある。けど「安定した収入は得られているのか」という意味での不安材料はなく、無理なく暮らせているので心配無用だ。
言いたいのは「休みが続いて夫が家にいて、私が出稼ぎしている」という図式になったとき、夫はその家事力を余すことなく発揮する、ということだ。
私が起きる前に、私のための朝食と弁当を作り終えて、せっせと洗濯、次に水槽を洗う、そして私が起きる頃にはTV視聴。
遅番で帰って来る頃にはすでに夫は就寝。ドア越しに聞こえるでかいイビキを確認してからリビングへ向かう。食卓には私の好きな蓮根バター炒めにペペロンチーノがラップされて食卓に用意されている。
そしてまた翌日、私が起きるときにはまたなにやらせっせと家事をこなして、私の世話をやいて、晩酌して大いびきかいて寝る。
そんな夫を、交通事故で亡くした。
深い悲しみを文面に起こしてやり過ごそう。そんなつもりで久々にブログを開いたら、この記事が下書きに残ったままだった。幸せだった日常を振り返ることができた。いい仕事したぞ、過去の自分。
予定よりだいぶ早いお別れになってしまったけど、幸福に満ち溢れた夫婦生活を送れた。
夫も私も、後悔はない。
あとは私が、この先も幸せに暮らすこと。
夫はそれを誰よりも願ってくれている事だろう。
オデ、たくさんの愛情をありがとう。